2009年 07月 27日
思い立ってクモハ12 |
10年ほど前まで、鶴見線にクモハ12という電車が2両走っていました。製造は1929年と1932年、世界恐慌と満州建国の年になります。総武線や山手線などで活躍した後、改造を繰り返し1988年に最期の地・鶴見線にたどり着きました。
17mと少し小さな車体に両運転台。茶色一色のボディに1枚ドアが側面に3つ付き、車内には白熱灯が灯る。それはまさに時間を超越した姿。鶴見駅の階段を上がり、鶴見線専用ホームに止まっていたクモハ12をはじめて見たとき、タイムスリップをしたかのような衝撃を受けました。
この電車が向かう駅は、海芝浦駅。目の前に鶴見つばさ橋が見える、海に張り出した駅。そして、工業地帯にポツンとある都会の中のローカル駅。折り返しまでの数十分間、クモハ12は潮風に吹かれながら海の上の小さな駅に佇んでいました。
それ以来、このクモハ12に見せられてしまった私は、その後何度も鶴見線に通います。横浜シーパラダイスだった中学校の卒業遠足を途中で抜け出し、鶴見線に乗りに行ったりもしました。何十年も変わらぬその姿。これから先、何十年も変わらないと信じていた矢先、クモハ12の引退の報道… そして1996年、2両のクモハ12は営業線から姿を消しました。
時は流れ、2003年冬。雑誌の付録で、鶴見線で活躍したクモハ12のキットが同封されました。大好きだったクモハ12がNゲージに! その時は喜んでレジへ急いだ記憶があります。そして早速作り始めましたが、塗装の段階でちょこっと失敗してしまいます。その時すぐに修正してやればよかったのですが、物臭な私。ちょうどADVを買った時期でもあり、いつしか記憶の彼方へ忘れ去られていました。
そして2009年。暑くて何もヤル気が起きない私がふと思い出したのが、放置していたクモハ12のキット。今までずっと触っていなかったのに、急に走っている姿が見たくなってしまいました。そこから突貫工事。塗装を塗りなおし、補正を繰り返した上でパーツを取り付け、コーティング。製作開始から6年を経て、ようやくそれらしくなってきました!
あとはインレタを張ってコーティングしてやればボディは完成。動力はネットで注文したので、数日で手元に届くことでしょう。綺麗に仕上げて走らせてやろう~!
実車のクモハ12はというと、今でもJR大井工場に保管されております。湘南新宿ラインに乗って大崎駅を発車すると右にカーブしますが、その際稀に工場内で日向ぼっこしているクモハ12を見ることが出来ます。製造から80年経過した車体ですが、いつしか元気に走る姿を見せて欲しいものです。
17mと少し小さな車体に両運転台。茶色一色のボディに1枚ドアが側面に3つ付き、車内には白熱灯が灯る。それはまさに時間を超越した姿。鶴見駅の階段を上がり、鶴見線専用ホームに止まっていたクモハ12をはじめて見たとき、タイムスリップをしたかのような衝撃を受けました。
この電車が向かう駅は、海芝浦駅。目の前に鶴見つばさ橋が見える、海に張り出した駅。そして、工業地帯にポツンとある都会の中のローカル駅。折り返しまでの数十分間、クモハ12は潮風に吹かれながら海の上の小さな駅に佇んでいました。
それ以来、このクモハ12に見せられてしまった私は、その後何度も鶴見線に通います。横浜シーパラダイスだった中学校の卒業遠足を途中で抜け出し、鶴見線に乗りに行ったりもしました。何十年も変わらぬその姿。これから先、何十年も変わらないと信じていた矢先、クモハ12の引退の報道… そして1996年、2両のクモハ12は営業線から姿を消しました。
時は流れ、2003年冬。雑誌の付録で、鶴見線で活躍したクモハ12のキットが同封されました。大好きだったクモハ12がNゲージに! その時は喜んでレジへ急いだ記憶があります。そして早速作り始めましたが、塗装の段階でちょこっと失敗してしまいます。その時すぐに修正してやればよかったのですが、物臭な私。ちょうどADVを買った時期でもあり、いつしか記憶の彼方へ忘れ去られていました。
そして2009年。暑くて何もヤル気が起きない私がふと思い出したのが、放置していたクモハ12のキット。今までずっと触っていなかったのに、急に走っている姿が見たくなってしまいました。そこから突貫工事。塗装を塗りなおし、補正を繰り返した上でパーツを取り付け、コーティング。製作開始から6年を経て、ようやくそれらしくなってきました!
あとはインレタを張ってコーティングしてやればボディは完成。動力はネットで注文したので、数日で手元に届くことでしょう。綺麗に仕上げて走らせてやろう~!
実車のクモハ12はというと、今でもJR大井工場に保管されております。湘南新宿ラインに乗って大崎駅を発車すると右にカーブしますが、その際稀に工場内で日向ぼっこしているクモハ12を見ることが出来ます。製造から80年経過した車体ですが、いつしか元気に走る姿を見せて欲しいものです。
by adv-kou
| 2009-07-27 23:15
| 鉄道
|
Comments(12)
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ぎすこ
at 2009-07-28 00:03
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リベットといい鉄板具合といい楽しいですねぇ~
トレーラーのヘッドも時代があってますね、さすが!
トレーラーのヘッドも時代があってますね、さすが!
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ユウマ
at 2009-07-28 16:18
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航
at 2009-07-28 20:37
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航
at 2009-07-28 20:41
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>ユウマさん
鉄道模型の醍醐味は、思い入れのプラスαだと最近悟りました。
精密でなくても思いがこもっていればそれで良いんです♪
西武が誇る私鉄最大の電機・E851、これまたマイナーですね~
KATOとマイクロエースから出てますよ!
鉄道模型の醍醐味は、思い入れのプラスαだと最近悟りました。
精密でなくても思いがこもっていればそれで良いんです♪
西武が誇る私鉄最大の電機・E851、これまたマイナーですね~
KATOとマイクロエースから出てますよ!
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G2
at 2009-07-28 22:21
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航
at 2009-07-28 22:46
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>G2さん
私鉄なら車齢の高い物はまだまだありますが、
JRで最近まで現役だったというのが、不思議なくらいの車両でした。
これらの車両を見ていると、古いものは大切に使わなくちゃ、と改めて感じさせられます。
どうぞ鉄に目覚めちゃってください!!(笑)
私鉄なら車齢の高い物はまだまだありますが、
JRで最近まで現役だったというのが、不思議なくらいの車両でした。
これらの車両を見ていると、古いものは大切に使わなくちゃ、と改めて感じさせられます。
どうぞ鉄に目覚めちゃってください!!(笑)
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ユウパパ
at 2009-07-29 00:14
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むかし地元の池上線のキットを買って組み立てたことを思い出しました。
出来合のNゲージもいいけど、自分で組み立てて塗装したのもいい思い出です。
その池上線も今では車両が2回変わりました。
「思い入れのプラスα」、何だか分かります。
出来合のNゲージもいいけど、自分で組み立てて塗装したのもいい思い出です。
その池上線も今では車両が2回変わりました。
「思い入れのプラスα」、何だか分かります。
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航
at 2009-07-29 21:46
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>ユウパパさん
2代前の池上線というと、緑色の車体でしょうか?
いまだに地方私鉄で活躍していますね。
作る楽しみ、確かにありますね~!
私は焦って作っていつも失敗、ですが…(笑)
今回は思い入れをタップリ注ぎ込んで、じっくり作っております☆
2代前の池上線というと、緑色の車体でしょうか?
いまだに地方私鉄で活躍していますね。
作る楽しみ、確かにありますね~!
私は焦って作っていつも失敗、ですが…(笑)
今回は思い入れをタップリ注ぎ込んで、じっくり作っております☆
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ユウパパ
at 2009-07-30 07:24
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航
at 2009-07-30 12:53
x
>ユウパパさん
渋谷駅前にカットされて安置されている5000系(通称アオガエル)は
私も大好きな車両でした。
名車と言われる車両の一つで、かつては全国各地で余生を送っていましたが、
製造から50年以上経過する現在、まだ熊本電鉄で元気に走っていますよ!
渋谷駅前にカットされて安置されている5000系(通称アオガエル)は
私も大好きな車両でした。
名車と言われる車両の一つで、かつては全国各地で余生を送っていましたが、
製造から50年以上経過する現在、まだ熊本電鉄で元気に走っていますよ!
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saw
at 2009-07-30 22:30
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やっぱりアルミの質感もいいですが、鉄のそれにはかなわないですねえ! バイクもそうですが、古い鉄ならではの味わいはたまりません。
幼少のころ、東急沿線に住んでいまして、どれも緑色でまーるい感じの電車でした。いつの間にか引退してしまったようですが、地方に行けば会えるのですね!?行ってみたい!
幼少のころ、東急沿線に住んでいまして、どれも緑色でまーるい感じの電車でした。いつの間にか引退してしまったようですが、地方に行けば会えるのですね!?行ってみたい!
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航
at 2009-07-30 23:34
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>sawさん
今は鋼体の列車は少なくなってきましたから、
余計に味があるように見えますね~
緑色のまーるい電車=間違いなくアオガエルですね~
長野や上田、松本、静岡などで余生を過ごしておりましたが、
さすがに寄る年波には勝てず引退しました。
今唯一走っているのが熊本電鉄です。
両運転台に改良されましたが、色も緑に戻されまだ元気に走っているようです。
今は鋼体の列車は少なくなってきましたから、
余計に味があるように見えますね~
緑色のまーるい電車=間違いなくアオガエルですね~
長野や上田、松本、静岡などで余生を過ごしておりましたが、
さすがに寄る年波には勝てず引退しました。
今唯一走っているのが熊本電鉄です。
両運転台に改良されましたが、色も緑に戻されまだ元気に走っているようです。