~My ADVENTURE~ KTM “690 ADVENTURE” |
12年と8カ月、96,796キロ乗った640アドベンチャー。軽量な上に抜群のオフロード走破性と積載性を兼ね備えた車体は「ロングツーリングをしながらオフロードを楽しむ」という使い方には申し分無かった。大抵の林道は走破できるし、ロードでは500キロ以上無給油で快適に走り通すことが可能だったからだ。
かつては「デュアルパーパス」「ビッグオフ」と呼ばれたこの種の車両はブームに乗って車種も増え、いつしか“アドベンチャー”というカテゴリーに分類されるようになった。一方で大排気量化と車体の大型化・重量化が進み、ロードでは快適に走れるもののオフロード走破性はほとんど考慮しないモデルばかりとなってしまった。アドベンチャーは「大排気量でオフロードルックスのツアラー」などと定義する書籍もあり、もはやアドベンチャー=オフロードと結び付けられない状況となってしまった。
老朽化に伴い640アドベンチャーの代替機を探し始めたものの上記のような「ツアラー」ばかりで、640のようなオフロードに特化したバイクがなかなか見つからなかった。インターネットでそれらしき画像が出る度に期待したのだが、そのすべてが虚偽、というよりも同志向のユーザー達が製品化への願いを込めて作ったものばかりだった。しかし作ってしまったのは画像ばかりではない。中にはカウルを自作し独自にRALLY仕様にしてしまうユーザーが現れ始め、ついには商品化して売り出すメーカーまで出てきた。
BMW GSシリーズに加え、アフリカツインやテネレといったかつて一世を風靡したマシンが復活する中で、我らがKTMも大排気量化・ロード化を推し進め快適な旅が可能なアドベンチャーを投入してきたが、必要なのはオフロードの走破性と軽量な車体。その条件を満たすのは進化したLC4エンジンを積む690エンデューロのみであるが、旅の道具として見た場合、いささか装備が欠けている。640から乗り換えるのならば640以上のバイクでなくてはならないという強い思いから、ベース車両の690エンデューロRにギリシャ・Perfect Fairings社製のタンク・カウルを装着、カウリング性能と積載燃料の増加を図り、パーソナルマシン『690アドベンチャー』を作ることとした。
構想から約1年と3ヶ月を要し想像を絶する苦労の連続ではあったが、640で培ったすべてを投入し、今、690アドベンチャーの旅が始まる… GO!! ADVENTURE!!!
エンジン型式:水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
総排気量:690cc
ボア×ストローク:102 / 84.5mm
最高出力:49KW (67HP) / 7,500RPM
最大トルク:68NM / 6,000RPM
圧縮比:12.5 : 1
始動方式:セル式
変速機:6速
燃料供給方式:KEIHIN製電子制御フューエルインジェクション
潤滑方式:オイル圧送式 (2PUMPS)
一次減速比/二次減速比:36:79 / 15:45
クラッチ:APTCスリッパークラッチ油圧操作式
マネージメント/イグニッション:KEIHIN製EMS
全長/ 全幅/ 全高:2,283 / 830 / 1,205mm
フレーム:クロームモリブデン鋼トレリスフレーム (パウダーコート)
サブフレーム:セルフサポート・タンク兼用
ハンドルバー:アルミニウム φ28 / 22mm
フロントサスペンション:WP製倒立フォーク φ48mm
リアサスペンション:WP製モノショック・プロレバーリンク プリロードアジャスター
サスペンションストローク(F/R):250 / 250mm
ブレーキ (F) :BREMBO製ディスクブレーキ 300㎜
ブレーキ (R):BREMBO製ディスクブレーキ 240㎜
ホイール(F/R):1.85×21" / 2.50×18"
タイヤ(F/R):90/90-21" ; 140/80R18
サイレンサー:ステンレススチール
キャスター角:63°
ホイールベース:1,504±15mm
最低地上高(無負荷):280mm
シート高:910mm
燃料タンク容量:約12L(2.5Lリザーブ)
半乾燥重量 (燃料含まず):138.5kg
▼主な改造…
LEDウィンカー…パワーパーツ。
バッドフュエル&ABSキャンセルドングル…パワーパーツ。
ラリーグリップ…RALLY用のスポンジグリップで振動を軽減。640でも使用。
ラリーフットレスト…パワーパーツ。LC8用。
アルミニウムハンドガード…24Gさんより頂きもの。
プログレッシブハンドルバーダンピングシステム…パワーパーツ。
スーツケースキャリアシステム…パワーパーツ。
パニアケース…なおきさんと交換により受領。ツラーテック製。
ADVM-1ナンバーブラケット…記念すべき“1”の参加証。640より移植。
ツラーテック・サイトスタンドエキステンション…640より移植。
ボッシュ・ホーン「ラリーストラーダ」…低音のみ。640より移植。
野口シート…24Gさんより頂きもの。
SWモテック・アルラック…ブラケットを外して汎用性の高いキャリアに。
LEDサブライト…LC8用パワーパーツ。640より移植。
690SMC用ショートアップフェンダー…こだわりのアップフェンダー。
アクラポビッチ チタン製スリップオンサイレンサー…パワーパーツ。
外部電源キット…パワーパーツ。
TUTORO…イギリスの自動チェーン給油機。今のところトラブル無し。
GIVIトップケース…クロスカブと共用。ADVをもっと便利に。
DRCオフロードミラー…林道走行中に割れたので交換。
アルミニウム製スキッドプレート…24Gさんより頂きもの。走行中に紛失。
▼主なツーリング…
2016年
4月 納車・慣らし・回送(埼玉→関越・圏央・中央・名神・京滋・第二京阪→奈良)
5月 初回点検・回送(奈良→名神・中央→黒河内林道→東京→ 埼玉)
11月 各種性能試験(東秩父)
2017年
2月 回送(埼玉→東京→東名→清水→東名・伊勢湾岸・名阪国道→奈良)
海山・新春ツーリング(名阪~海山~伊勢奥津)
5月 帰省ツーリング(奈良~南信~松本~東京~徳島~奈良)
2018年
4月 東京へ異動。
9月 ADVM-12(埼玉シティジョイント企画。蔵王周辺にて)
2020年
2月 紀北海山カキサミット
※2021年10月更新 総走行距離約14,000キロ
旅、アドベンチャーというところにフォーカスされた記事は私があこがれるものでもあります。私はまだ690にてオフ車を始めた初心者ですが、いつかadv-kouさんのような旅をしてみたいです!
購読させていただきます。今後も更新楽しみにしております。
初めまして、航と申します。
秩父を走られた記事を懐かしく拝見しました。
東京にいた頃は毎週のように秩父に行っておりました。
普通の林道からアタックまであり、
オフロードの練習にはもってこいですし、
山々を見ながら峠で食べるお昼は最高でした。
690は640に比べダートは得意ですが、旅心が足りません。
そこを改善して640以上のアドベンチャーに仕上げたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。